防炎ビニールカーテンと不燃ビニールカーテンの違い 防炎と不燃のちがい ビニールカーテン(ビニールシート)において防火性能を表現する言葉には「防炎」と「不燃」とがあります。この2つの言葉、専門用語としての使い方や文字からのイメージとそのギャップ、ニュアンスの違いなどがあり、なかなか理解が難しいでしょう。ここではその違いについて解説します。 防炎とは その意味は”炎を防ぐ”すなわち”燃えにくい”性能のことです。防炎性能のある製品は、小さな火種が接した時に簡単には着火しません。万が一着火したとしても、添加や塗布した薬剤の作用で自己消火し、燃え広がりを防ぎます。 防炎認定は国認定の登録確認機関である『公益財団法人日本防炎協会』が防炎性能の基準を審査して行います。 「防炎」は発生する火災を予防し、安全な屋内環境を実現するために導入されたものです。特に高層建築物や地下街など構造的に避難が困難になりがちな場所や、劇場・ホテル・飲食店や物品販売の店舗など、不特定多数の人が出入りする施設において使用するカーテンは、防炎性能を有するものでなければならないと消防法(第8条の3)によって決められています。 防炎シール フラーレ0.3t(防炎) 近年では防火意識の高まりから工場や倉庫、事務所、住宅においても防炎カーテンの使用が推奨され、各消防署からの指導も行われています。 火災はひとたび起こると大惨事につながります。あなたや周りの人、もの、建物を守るためには「防炎」の製品を選びましょう。 不燃とは 「不燃」の文字は建築基準法のなかに「不燃材料」という言葉としてでてきます(第2条の9)。その中の「不燃材料」とは”建築材料のうち不燃性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣の認定を受けたもの”と規定されています。 建築材料についての規定ですので、カーテンだけではなく建物を構成する屋根や外壁、柱等の主要構造部から間仕切壁や間柱などの、構造上には重要でない部分にまで使用する材料に等しく当てはまります。 不燃性能の基準要件 通常の火災による火熱が加えられた場合 ✓ 20分間燃焼しない ✓ 防火上有害な損傷がない ✓ 避難上有害な煙又はガスを発生しない つまり、ビニールカーテンの材料において表記される「不燃」とは、火災時に一定時間、火熱に耐えうることのできるものとして認定されたものです。金属加工時の溶接や溶断の火花受けシートのように、常時火花にさらされることが前提のシートとは異なります。 不燃材料を使用しなければならない部分については建築基準法に規定されていますが、それ以外の部分についても、建築主事や消防署の指導により「不燃」の使用が求められる場合があります。 不燃シール RG3200F(不燃) 不燃生地の使用が求められる場所もある 「防炎」と「不燃」とは一つの体系の基に決められているものではなく、「不燃」の認定を受けている材料も「防炎」の認定を合わせて取得しています。そのため、実際には「不燃」の方が「防炎」より上位として扱われています。 「不燃」のビニールカーテンに火を着けると表面の樹脂は溶融し始めますが、防炎剤の効果で火種がなくなると自己消火します。この段階で「防炎」性能のみの場合は、生地に穴が開きます。 防炎ビニールカーテンは樹脂の中に入っている基布がポリエステル樹脂でできているため、一緒に溶けてしまいます。透明フィルムの場合はもともと基布自体がありません。 「不燃」の場合は基布にガラス繊維が使われており、そのガラス繊維が火に耐えカーテンの反対側へ燃え移ることを防いでくれます。燃え抜けを防ぐことができるのが、不燃ビニールカーテンの特徴です。 防炎フィルム 不燃フィルム 線香花火による燃え抜け実験 防炎フィルム:燃え広がりはしないものの貫通(燃え抜け)している 不燃フィルム:燃え広がり・貫通(燃え抜け)ともに無し ガソリンスタンドや危険物倉庫といった火災負荷の高い場所や、劇場や学校、工場など多くの人が集まる場所では、消防や行政より不燃材料の使用が指導されている場合もあります。そのような場所では不燃ビニールカーテンを選びましょう。 余談ですが、火から連想される用語から「難燃カーテン」「防火カーテン」「耐火カーテン」と表現されることもあります。用語の定義が確定されていないため、当店では法律用語と合致する「防炎」と「不燃」を使用しています。 ビニテン.comでは、経験豊富なスタッフがご使用になる状況に合わせて提案します。どんなタイプのカーテンが良いか、どんな生地を選べばよいのか等、ご不明な点はどうぞお問い合わせください。 防炎・不燃ビニールカーテンについて相談する 【実験】防炎と不燃の生地に火種を置いてみた 「防炎」と「不燃」の生地それぞれの上に、点火したマッチをのせてその損傷の度合いを観察しました。使用した生地は防炎品は『ターポリン0.35t』、不燃品は『不燃ターポリンRG4200FD』です。 双方ともマッチを置いて、約5秒後に鎮火しました。 損傷状態として、防炎品は火が接していた部分は完全に穴が開いています。 それに対し不燃品は、表面の樹脂は溶けていますが、中のガラス繊維の基布が貫通を防いでいるのが確認できました。 防炎(ターポリン0.35t) 不燃(不燃ターポリンRG4200FD) 着火 鎮火 損傷状態(表面) 損傷状態(裏面) お気軽にお電話ください。専門のスタッフが親切丁寧にご対応いたします。 0120-221-015 受付時間:9:00~12:00/13:00~17:00(土日祝日・夏季休暇・年末年始を除く)
防炎と不燃のちがい
ビニールカーテン(ビニールシート)において防火性能を表現する言葉には「防炎」と「不燃」とがあります。この2つの言葉、専門用語としての使い方や文字からのイメージとそのギャップ、ニュアンスの違いなどがあり、なかなか理解が難しいでしょう。ここではその違いについて解説します。
防炎とは
その意味は”炎を防ぐ”すなわち”燃えにくい”性能のことです。防炎性能のある製品は、小さな火種が接した時に簡単には着火しません。万が一着火したとしても、添加や塗布した薬剤の作用で自己消火し、燃え広がりを防ぎます。
防炎認定は国認定の登録確認機関である『公益財団法人日本防炎協会』が防炎性能の基準を審査して行います。
「防炎」は発生する火災を予防し、安全な屋内環境を実現するために導入されたものです。特に高層建築物や地下街など構造的に避難が困難になりがちな場所や、劇場・ホテル・飲食店や物品販売の店舗など、不特定多数の人が出入りする施設において使用するカーテンは、防炎性能を有するものでなければならないと消防法(第8条の3)によって決められています。
近年では防火意識の高まりから工場や倉庫、事務所、住宅においても防炎カーテンの使用が推奨され、各消防署からの指導も行われています。
火災はひとたび起こると大惨事につながります。あなたや周りの人、もの、建物を守るためには「防炎」の製品を選びましょう。
不燃とは
「不燃」の文字は建築基準法のなかに「不燃材料」という言葉としてでてきます(第2条の9)。その中の「不燃材料」とは”建築材料のうち不燃性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣の認定を受けたもの”と規定されています。
建築材料についての規定ですので、カーテンだけではなく建物を構成する屋根や外壁、柱等の主要構造部から間仕切壁や間柱などの、構造上には重要でない部分にまで使用する材料に等しく当てはまります。
不燃性能の基準要件
通常の火災による火熱が加えられた場合
✓ 20分間燃焼しない
✓ 防火上有害な損傷がない
✓ 避難上有害な煙又はガスを発生しない
つまり、ビニールカーテンの材料において表記される「不燃」とは、火災時に一定時間、火熱に耐えうることのできるものとして認定されたものです。金属加工時の溶接や溶断の火花受けシートのように、常時火花にさらされることが前提のシートとは異なります。
不燃材料を使用しなければならない部分については建築基準法に規定されていますが、それ以外の部分についても、建築主事や消防署の指導により「不燃」の使用が求められる場合があります。
不燃生地の使用が求められる場所もある
「防炎」と「不燃」とは一つの体系の基に決められているものではなく、「不燃」の認定を受けている材料も「防炎」の認定を合わせて取得しています。そのため、実際には「不燃」の方が「防炎」より上位として扱われています。
「不燃」のビニールカーテンに火を着けると表面の樹脂は溶融し始めますが、防炎剤の効果で火種がなくなると自己消火します。この段階で「防炎」性能のみの場合は、生地に穴が開きます。
防炎ビニールカーテンは樹脂の中に入っている基布がポリエステル樹脂でできているため、一緒に溶けてしまいます。透明フィルムの場合はもともと基布自体がありません。
「不燃」の場合は基布にガラス繊維が使われており、そのガラス繊維が火に耐えカーテンの反対側へ燃え移ることを防いでくれます。燃え抜けを防ぐことができるのが、不燃ビニールカーテンの特徴です。
線香花火による燃え抜け実験
防炎フィルム:燃え広がりはしないものの貫通(燃え抜け)している
不燃フィルム:燃え広がり・貫通(燃え抜け)ともに無し
【実験】防炎と不燃の生地に火種を置いてみた
「防炎」と「不燃」の生地それぞれの上に、点火したマッチをのせてその損傷の度合いを観察しました。
使用した生地は防炎品は『ターポリン0.35t』、不燃品は『不燃ターポリンRG4200FD』です。
双方ともマッチを置いて、約5秒後に鎮火しました。
損傷状態として、防炎品は火が接していた部分は完全に穴が開いています。
それに対し不燃品は、表面の樹脂は溶けていますが、中のガラス繊維の基布が貫通を防いでいるのが確認できました。